乳との遭遇

今日という今日はね、もうハッキリさせようと思って。
白黒付けようと思いましてペンを取ったんですけどもね。


私はね、この世で、 おっぱい ほど疑わしいモノは無いんじゃないかなって思う。

乳とか言っちゃって、おめぇ…何様のつもりだって、言いたい。


もうね、一歩外に出れば、巨乳がどうしただの、あいつのスイカップがすげぇだの、いや、俺は貧乳も嫌いじゃないっつーか、だの、もう引っ張りダコじゃないですか、乳という乳が。

乳の話題で持ちきりじゃないですか。

女の子も女の子で、形がくずれるとか言ってブラ選びとか、すっごいじゃないですか。
牛乳とか飲みまくってるじゃないですか。


マジか、と。
いいのか、と。
騙されてんじゃないか、と。

いつまでもアイツを乳の座に君臨させていていいのかって。


例えば、足。

足、結構、頑張ってる。
足がいなかったら、移動とかホント困難になる。
道端のウンコとか避けずらくなる、異常に接近戦になる。
ありがとう、足。

例えば、手。

手の努力も尋常じゃない。
もうね、日常のほとんどの事を、甲斐甲斐しく手のヤツがやってくれてる。
汚いことは全部、私に代わって、手が請け負ってくれる。
ありがとう、手。

はたまた、ケツ。

こいつらが二人いてくれて良かった。
もしケツが二つに割れてなかったら、ほんと肛門とかね、表舞台に躍り出て、ヒドイ目にあってたと思う。
ありがとう、ケツ。


で、乳、おめぇ。

あれ?

おめぇ、寝てた?

人の話ちゃんと聞いてた?


もうね、乳のね、仕事量がね、ないの。
毎日が夏休みになっちゃってんの。

目にしても、指にしたって、毎日セカセカ働いてるのに、
かたや乳。全然、動いてねぇ。棒立ち。

気を許すと、軽くうなだれちゃったりしてる。

もうね、完全にニート化しちゃってるんですよ。

なのにね、やたらウハウハでしょ。
乳っつーだけで、レースの下着とかに包まれちゃって、
乳っつーだけで、みんなの視線を独り占めして、

男『なーなー「いっぱい」の「い」を「お」に変えて言ってみて』
女『やっだー!もぉー!』 ヤイノヤイノ 

あわよくば、クイズ形式にまでされちゃってんですよ。

え、こいつ、そんなにイイ仕事すんの?
って、見てみたら、全然使えねぇわけ。
契約一つ取ってこない。
なのに、この待遇。


もうね、男女の交わりにおいてはね、
あわよくば我先にとね、男子と戯れたりしちゃうわけですよ。

待てよ、と。
そこはね、大人になれよ、と。
だから、ここはひとつ乳には、

「いやぁ、自分なんて、まだまだ半人前っすから、ほんと、足ニイサンより先に揉まれるなんて、ほんと、自分、自信ないっすから」

くらい言って欲しい、したら、まぁ足も足で、

「ばぁか、オレはお前のこと、弟子とか以前に、弟のように可愛く思ってんだぜ。だからオレに今更遠慮なんて無用だぜ。これも勉強だと思って、ここは黙って揉んでもらえ」

「足ニイサン…(ニイサンはいつも未熟なボクのことを支えてくれた。ねぇ、足ニイサンこそ、本当はボクが探し求めていた、生き別れになった本当のお兄さんじゃないのかな。いや、今はこんなこと考えてる場合じゃない)ニイサン、ボク、ニイサンに最高の初舞台を見せるっす!」

したら、それを影で見てた左足のやつが、

「あいつ、ちょっと見ないうちにデカクなりやがって。いいのか右足?本当のこと言わなくて。お前が生き別れになった本当の兄だって…」

「いいんだ…乳には乳の、足には足の、…生き方があるんだ」


とかだったら、ちょっと泣ける。

あ、やべぇ、全然エロくない。